シールドサクション

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シールドサクション工法

(株)コトガワと山口県瓦工事業協同組合の石綿対策技術委員会は共同で、石綿屋根材を安全に撤去するための新工法「シールドサクション工法」を開発しました。

シールドサクション工法は、専用工具と特殊な掃除機を使用して、高速の吸引風速(約 20m/sec)で釘・粉じん・飛散石綿を発生源より吸引除去します。

シールドサクション工具

釘引抜部分を覆う工具で、屋根材の固定釘を引き抜き、釘・粉じん・飛散石綿を全て吸引除去します。

トラップボックス

釘と破片は、ここで分離します。微粉じんと飛散石綿は、クリーンルーム用掃除機へ吸引されます。

クリーンルーム用掃除機

微粉じん、飛散石綿をメインフィルタとULPA フィルタで捕集します。

ダブルサクション工具

シールドサクション工具で吸引できない長い釘は、ダブルサクション工具を使って取り外します。

※ULPA フィルタ:粒経が0.15μm の粒子に対して99.9995 %以上の粒子捕集率を持っている高性能フィルタ

作業手順

シールドサクション工法

1.棟板金・雨押板金などの撤去

釘が石綿屋根材を貫通していない場合、通常の釘抜き工具を使って取り外します。

2.棟用貫板の撤去

棟用貫板の固定釘は石綿屋根材を貫通しているので、ダブルサクション工具を使って取り外します。

3.石綿屋根材の撤去

シールドサクション工具を使って固定釘を取り外します。

4.屋根上の清掃

工具先端を床ノズルに取り替え、屋根上を清掃します。

シールドサクション工法(動画)

ダブルサクション工法

波型スレートの場合

波型スレートは、シールドサクション工具では吸引できない長い釘で固定されています。

そのため、工具先端をダブルサクション工具に取り替え、フードで覆った状態で釘を取り外します。

かわらUの場合

波型スレートと同様、シールドサクション工具では吸引できない長い釘で固定されています。

そのため、工具先端をダブルサクション工具に取り替え、フードで覆った状態で釘を取り外します。

撤去後の注意

屋根材は最後まで割らずに

取り外した石綿屋根材を屋根上から投下すると、石綿屋根材が破砕し、石綿が大量に飛散してしまいます。

石綿屋根材を屋根から降ろす場合、瓦揚げ機・クレーン・専用の運搬容器などを使用して、石綿屋根材を破砕しないように降ろさなければなりません。

試験結果

シールドサクション工法は、屋内試験においても実証試験においても、敷地境界基準を十分に満足しています。

試験は、三井化学(株)・山口県産業技術センター・(株)コトガワ山口県瓦工事業協同組合4者で実施。試験データは「石綿対策技術委員会、研究開発成果書、2007」に掲載されています。

各種実績

シールドサクション工法は、数々の特許・意匠等を取得しており、安心・安全な石綿飛散防止工法として、関係各所より高い評価をいただいています(株式会社コトガワ取得)。

受賞・採択

年 度 機 関 内 容
2007年度 厚生労働省 全国の労働局・労働基準監督署に通達(了知)が出され、使用することが可能となりました
2010年度 国土交通省 新技術情報提供システム(NETIS)に登録され、公共事業への対応
が可能となりました
2011年度 経済産業省
特許庁
特許庁長官表彰「知財功労賞」受賞
2011年度 建設業労働
災害防止協会
建災防「顕彰基金による顕彰」受賞
2012年度 中国地域NBC 中国地域ニュービジネス協議会「特別賞」受賞
2017年度 厚生労働省 石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアルの石綿指針に工法内容が掲載されました(2.11版、p.69)。

特許・実用新案・意匠・商標

区 分 番 号 内 容
特  許 第4235248号 掃除装置
第5247267号 塵芥吸引装置
第5292006号 釘抜き
第4958731号 掃除装置及びごみの除去方法
第5258256号 アスベストを含む粉塵の大気飛散防止方法
第5075513号 掃除装置
第5048958号 石綿ダスト捕集方法
第5048967号 石綿スレート板の留め具の除去方法
実用新案 第3131133号 石綿含有屋根材の止め釘の抜き具
第3136657号 釘抜き装置
意  匠 第1347731号 釘抜き装置
第1350841号 アスベストダストの吸引装置
商  標 第5004317号 シールドサクション/SHIELD SUCTION
第5333923号 SS管理委員会/Shield Suction
第5601722号 Shield/Suction/Method
第5601723号 石綿対策技術委員会
第5601724号 シールドサクション工法/Shield Suction Method
立体商標 第5999565号 シールドサクション

シールドサクション工法による石綿屋根材撤去工事は、全国で550棟以上の実績があります。宮城県では石巻市と委託契約を締結し、170棟の石綿屋根材をシールドサクション工法で撤去しました。また山口県宇部市では公共工事にも採用されています。

全国SS管理委員会

各県に合同会社を設立し、シールドサクション工法の普及活動・講習会の実施・工具のリース管理・石綿屋根材の安全な撤去・書類管理などを行っています。

山口県・鹿児島県・宮城県・茨城県・愛知県・京都府・島根県・鳥取県・福岡県・愛媛県・広島県・大分県長崎県・福島県・奈良県で設立(設立順、15府県で67社301名が登録、2017年6月現在)

全国SS管理委員会の窓口

連合会役職 都府県 事業所
会 長 宮城県 高橋屋根工業 (株)
副会長 茨城県 宮原瓦工業 (有)
副会長 愛知県 シノゲン瓦工業 (株)
副会長 鹿児島県 (有) 瀬戸口屋根工業
事務局 山口県 石綿対策技術委員会
特許権者 山口県 (株) コトガワ
山口県 (株) 磯部公
京都府 (株) アルファ
島根県 長浜工業 (株)
鳥取県 (有) 笹間建材店
福岡県 (有) 福博瓦工業
愛媛県 三州瓦センター松山
広島県 (有) えびの瓦商店
大分県 (株) 大菱産業
長崎県 (有) 吉川商事
福島県 門馬屋根工業 (株)
奈良県 石野瓦工業 (株)

鹿児島県SS管理委員会


 

鹿児島県では、県内の屋根工事業者6社が一致団結し、平成22年4月に全国で最初の事業所として、合同会社を設立しました。


現在、講師7名、技能講習修了者28名で活動を行っています(活動実績はこちら)。


当委員会では、作業者や周辺住民の方々を石綿被害から守るため、作業環境の改善や行政・業界への工法普及に取り組んでいます。


石綿屋根材の撤去に関するご相談等ありましたら下記の窓口にお問い合わせください。

鹿児島県SS管理委員会の設立メンバー

会社名 電 話 住 所
(有) 瀬戸口屋根工業 0996-53-1078【事務局】 薩摩郡さつま町柏原3100
(株) 窪弘商店 0992-43-4766 鹿児島市川上町1080-1
(有) 徳重瓦工場 0996-36-2049 いちき串木野市大里259-3
(株) 三栄建材工業 0996-27-2411 薩摩川内市高江町975
(有) 下舞工業所 0993-53-3301 南さつま市加世田内山田3000
(株) ニシエ 0994-72-0155 志布志市志布志町安楽4469

太陽光発電の設置時に

通常の穴あけ作業の場合

シールドサクション工法の場合

関連資料

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