軽量断熱シラス瓦

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シラスへの取り組み

30年以上、軽量化に取り組んでいます

当社では、昭和60年頃から軽量瓦の開発に取り組んできました。当時、軽量屋根材では、板厚を薄くし補強材にアスベストを使用した石綿スレートが主流でしたが、私たちは当時からアスベストの危険性を懸念していました。そこで、人にも環境にも優しい自然素材の「シラス」に着目。昭和62年頃、シラスを細骨材に用いた「シラス瓦」を試作し、屋外曝露試験を開始しました。

シラス瓦の開発

加圧脱水成形の効果(イメージ)

開発のきっかけ

開発のきっかけは、今から15年以上も前。鹿児島県工業技術センターの袖山先生が平成13年に企業訪問された際、12年以上屋外曝露したシラス瓦を確認し、性能試験を行いました。

その結果、軽量で高強度、耐久性にも優れていることから、実用化を薦めていただき、共同研究を開始しました。平成13年から、同センターの技術協力の元、鹿児島県新技術開発推進協議会の委託調査研究を行いました。

西日本初の 250t プレスマシン

「シラス瓦」の開発に成功

シラスの欠点を克服するため、試行錯誤を重ね、原料配合の工夫や加圧脱水成形の応用などにより、課題改善を図りました。

シラスとセメントを強固に結合し、緻密な構造にすることで欠点を克服。平成18年には鹿児島県と共同で特許を取得しました。

さらに、シラスの軽量性を活かした瓦の大判化にも成功。西日本初の大型マシンを導入し、大判瓦の量産体制を確立しました。

  • 県と共同で特許取得

    シラス瓦の開発で、鹿児島県と共同で特許取得。

  • 発明表彰

    シラス瓦の開発で、九州地方発明表彰「鹿児島県支部長賞」受賞。

  • 優秀賞

    シラス瓦の講演で、九州・沖縄産総研活用フォーラム「優秀賞」受賞。

  • 企画賞

    シラス瓦の物件で、鹿児島リフォームコンクール「企画賞」受賞。

  • 製造工程

  • 1.シラスふるい

    鹿児島県産のシラスを篩い機で所定の粒度に選別します。

  • 2.混合・撹拌

    専用のミキサーで原料を混練し、良質なモルタルを製造します。

  • 3.加圧脱水成形

    モルタルを金型にセットし、均一な圧力でプレス成形します。

  • 4.室内養生・脱板

    成形した瓦を室内養生し、硬化後に棚板から取り外します。

  • 5.水養生

    急乾燥の防止と充分な強度発現のため、散水を行います。

  • 6.屋外養生・室内保管

    3週間以上屋外で養生し、乾燥状態のまま室内で保管します。

  • 7.ライン塗装

    自動塗装ラインで高耐候性LS塗料を塗り重ねます。

  • 8.室内保管

    塗装後は室内で保管後、雨水などがかからない場所で保管します。

  • 高品質な製品の提供

    当社の製品は、全て厳選した素材を使用し、コンピューター制御による徹底した管理体制のもと、製造を行っています。

    成形・脱板・塗装前後の各過程では、高精度の機器と熟練工による品質検査を行い厳しい検査に合格したものだけが、製品として出荷されます。

    常に高品質な製品をお客様に提供できるよう、外部専門家・有識者の意見を取り入れ、各工程の定期的な見直しと継続的な改善を行っています。

    コンピューター制御による管理

    性 能

    17~28% 軽量化

    粘土瓦からユーロベストS-30への葺替工事(屋根重量:施工前16t、施工後10.5t)

    「軽量瓦」で減震

    屋根を軽くすることで、地震の際の建物にかかる力を小さくし耐震性を高めることができます。

    シラス瓦は、同型のセメント瓦と比べて、1枚当たり17~28%軽量化されています。

    特に、ユーロベストS-30と石娘S-24は、和瓦と比べて棟構造が簡素化されているため、シラスの軽量性とあわせて、屋根全体で最大約35%の軽量化が可能です。

    和瓦 17%(515g)、洋瓦 28%(1440g)、大判瓦 24%(1603g)軽量化

    熱伝導率1/2

    熱伝導率の比較(試験結果:鹿児島県工業技術センター)

    「断熱性」を高める

    屋根用化粧スレートは、板厚が薄く野地板との間に空気層が無いため、断熱性が低く結露が発生しやすいという欠点があります。

    一方、瓦には厚みがあり、野地板との間に空気層があるため、屋根用化粧スレートと比べて、断熱効果があります。

    シラス瓦は、厚みを保ったままの軽量化を実現。シラスの多孔質構造の作用で、熱伝導率はセメント瓦の約半分。

    「厚み」「空気層」に加え「低熱伝導率」のシラス瓦は、従来品と比べて、断熱性能がさらにUPしています。

    基準値の3倍の強度

    曲げ破壊荷重試験(鹿児島県工業技術センター)

    しかも「高強度」

    曲げ破壊荷重は、いずれもJIS規格の 1500N 以上。特に、ユーロベストS-30と石娘S-24は、4700N 以上の強度を有しています。

    「もろい」というのがシラスの一般的なイメージですが、シラス瓦は、私たちが思っている以上に「高い強度」を持っています。

    近年「シラスコンクリートは、普通コンクリートと同等の強度を有し、長期強度を発現する」ことが明らかになりました。今後、シラス瓦の長期的な高強度の発現も期待できます。

    参考文献:武若耕司、コンクリート工学、Vol.42、No.3、pp.38-47、2004

    防災機能

    シラス瓦×セメント瓦の防災機能

    当社では、早くから防災対策を手掛けてきました。平成9年の県北西部地震では、被害を最小限に抑えることができ、優れた耐震性能が実証されました。

    その4年後に完成したシラス瓦は、同型のセメント瓦の防災機能を全て備え、国土交通省技術評価の試験にもクリアしています。

    住宅で最も過酷な環境である屋根で、お客様の住まいを守るため、良いところは取り入れて、改善し続けています。

    耐風ユニバーサル引張試験(株式会社コトガワ)

    特に、ユーロベストS-30

    建築基準法に基づく構造計算の結果、標準的な平屋住宅の場合、ユーロベストS-30は風速 82.7m/s まで耐えることができます。

    驚異の耐風性能を持つユーロベストS-30は、与論島や徳之島など台風の被害を受けやすい離島でも採用いただいています。

    平成25年に大型台風が与論島を直撃し、甚大な被害をもたらしましたが、ユーロベストS-30の被害は全く無く、高い評価と期待をいただいています。

    県営住宅与論団地(ユーロベストS-30)

    施工実績

    シラス瓦は、平成13年の販売開始以来、合計363棟、50,103m²の施工実績があります。概算すると年間20棟(18日に1棟)の割合で使用されているということになります。施工から17年以上経過した物件もありますが、割れや雨漏りなどの不具合は無く十分な耐久性を長期間維持しています。(データ:2019年3月31日現在、屋根面積:平均138m²/棟)

    主な施工物件

    HITTO-BAN S-49(シラス和瓦)

    物件名 棟数 屋根面積(m²) 住所
    県営住宅 松陽台団地 35棟(1期~4期) 9100m² 鹿児島市松陽台町
    県営住宅 蒲生畠田団地 4棟 1129m² 姶良市蒲生町
    せんねん村 グループホーム矢曽根 9棟 2293m² 愛知県西尾市矢曽根町
    個人住宅 4棟
    合 計 52棟

    ユーロベスト S-30(シラス洋瓦)

    物件名 棟数 屋根面積(m²) 住所
    県営住宅 松陽台第二団地 65棟(1期~4期) 7459m² 鹿児島市松陽台町
    県営住宅 与論団地(宇和寺団地) 6棟(1期~3期) 1162m² 大島郡与論町
    県立吉野公園 休憩棟 2棟 354m² 鹿児島市吉野町
    町営住宅 犬田布亀戸団地 2棟 709m² 大島郡伊仙町
    徳之島なくさみ館 付属施設 2棟 209m² 大島郡伊仙町
    (有)瀬戸口瓦工場 シラス瓦専用工場 1棟 237m² 薩摩郡さつま町
    個人住宅 96棟
    合 計 174棟

    石娘 S-24(シラス大判瓦)

    物件名 棟数 屋根面積(m²) 住所
    県営住宅 松陽台第二団地 14棟(5期) 1582m² 鹿児島市松陽台町
    県公共事業 にぎわい回廊 付属施設 1棟 72m² 永野金山
    町営住宅 山崎団地 2棟 465m² 薩摩郡さつま町
    町営住宅 おしどり団地 2棟 393m² 薩摩郡さつま町
    町営 教職員住宅 2棟 254m² 薩摩郡さつま町
    農産物直売所 せせらぎの郷 1棟 213m² 薩摩郡さつま町
    個人住宅 115棟
    合 計 137棟

    コラム

    シラスとは

    約3万年前、現在の姶良カルデラを形成した大噴火により、大量の火砕流堆積物が噴出し南九州全域に堆積しました。その中で白色で砂分の多い噴出物をシラスと呼んでいます。

    県本土の半分以上を覆うシラス台地。シラスの埋蔵量は、約750億m³(東京ドーム6万杯分)とされています。無尽蔵ともいえるシラスですが、透水性が高く農耕に不向きで、梅雨時には土砂災害などを引き起こすため、これまで厄介者とされてきました。

    鹿児島 「県の石」 に認定

    日本地質学会は、全国47都道府県で産出する特徴的な岩石・鉱物・化石を1つずつ選び「県の石」として認定しました。鹿児島県では、岩石部門で「シラス」が選ばれました。

    鹿児島県全体を広く覆うシラスは、これまで厄介者とされてきましたが、ブロック・タイル・壁材・緑化基盤・瓦・塗料・化粧品・洗顔料・クリーナー・コンクリートなど、様々な製品に活用されています。

    リンク

    関連資料

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